新型コロナウイルスの感染拡大でリアルな接触が減り、人とのつながりをSNSを介した「仮想社会」に求める人が増えている。
米ツイッター社によると昨年10~12月、利用頻度の高いユーザーは前年の同じ時期に比べて1日あたり4千万人増えて1億9200万人になった。
朝日新聞がSNS分析ツール「ブランドウォッチ」を使って、「コロナ」を含む日本語のツイッター投稿を分析したところ、昨年1月~今年2月25日に2千万以上のアカウントが、計3億件近くツイートしていた(リツイートを含む)。
国内で初めて新型コロナの陽性患者が確認されたとの発表があった昨年1月16日から、ツイート数が増加。タレントの志村けんさんが亡くなった翌日の3月30日、これまでで最多の1日あたり340万件以上のツイートがあった。「#コロナに負けるな」というハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿も一気に増加し、ピークの4月17日には36万件にのぼった。
ツイッター上で次に目立った動きは、政府の観光支援策「Go To トラベル」の開始が大幅に前倒しされることが発表された7月10日。同日から8月にかけて、日本語で「Go To」を含むツイートが1日あたり10万~20万ツイートで推移。賛否ともに盛り上がりを見せた。
「第3波」の感染拡大が本格化した11月以降は、「コロナ」とともに「人災」を含むツイートが断続的に1日あたり10万超つぶやかれ、政府の政策決定の遅れなどを批判するツイートが増えた。
コロナ禍の中でのツイッター利用について、ツイッタージャパンの広報担当者は「ツイートを通じて情報を収集・整理し、最適な道を模索しようとする人間社会が投影されていると感じた」とする。「昨春の1回目の緊急事態宣言では、未知のウイルスに対する圧倒的な知識や情報不足からくるストレスを会話を通して軽減しようとし、今年の2回目では自分の生命や健康への対処法を自分たちなりに咀嚼(そしゃく)したうえで、それぞれが得た学びから社会の課題に対する具体的な問題提起がなされているようだ」と分析する。
原文出處 朝日新聞