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トランプ氏が方針を大幅転換「相互関税を90日間猶予する」 対中関税は125%に引き上げ【もっと知りたい!】【グッド!モーニング】(2025年4月10日)


相互関税の発動で世界が混乱するなか、アメリカのトランプ大統領が立て続けに驚くべき発表をしました。世界を対象にした相互関税の上乗せ分を90日間停止するとした一方で、中国に対しては関税を125%に引き上げて即時発動すると通告しました。

■トランプ氏軟化? 相互関税「90日間猶予する」

トランプ大統領
「報復しなかった国には90日間の猶予を与えました。なぜなら、彼らには『もし報復すれば、こちらも倍返しするぞ』と伝えていたからです」

 トランプ大統領は10日未明、一律10%の税率は維持したうえで、相互関税の上乗せ分については90日間停止すると表明しました。

 日本時間9日午後1時、アメリカは相互関税の第2弾を発動し、「特定の国」に対して上乗せ分の関税を適用。日本には24%、EUには20%などと、およそ60の国や地域に高い税率を課したばかりでした。

 わずか13時間で大幅に方針転換した相互関税。75カ国以上がアメリカと接触を図り、解決策を交渉するよう求めてきたことから、トランプ大統領自身の強い提案で猶予を与えたと説明しています。

トランプ大統領
「我々にはやるべき大きな任務があります。他の大統領では私のようなことはできないでしょう」

 強硬だったトランプ大統領の突然の軟化。金融市場に大きな影響を及ぼしています。

 9日のダウ平均株価は取引開始直後、前日の終値から一時300ドル以上値を下げましたが、トランプ大統領がSNSに融和策を投稿すると、一時、前の日に比べて3100ドル以上も暴騰しました。

 終値は前日と比べて2962ドル高い4万608ドルとなり、4万ドル台を回復して過去最大の上げ幅を記録しました。

 日経平均先物も3210円高い3万5040円で取引を終えています。

■中国への関税104%→125%

 振り上げた拳を下ろしたトランプ大統領ですが、ある一国だけは例外でした。

トランプ大統領
「中国が世界市場に対し示した敬意に欠ける態度に基づき、アメリカ合衆国は中国に課す関税を125%に引き上げ、直ちに発動します」

 中国に対してだけは、関税を104%から下げるどころか、さらに引き上げることを宣言したのです。

トランプ大統領
「去年、中国はアメリカ相手に貿易で1兆ドルを稼ぎました。これは良くありません。それを今、私が反転させ、短期間ですが我々は1日20億ドル稼いでいます」

 理由として挙げたのは、9日に中国が発表したアメリカに対する報復策です。

中国外務省 林剣副報道局長
「横柄ないじめ行為に断固として反対し、受け入れることはない」

 104%の関税をつきつけられた中国は、アメリカ製品への相互関税を84%に引き上げると対抗措置を表明。さらにWTOに提訴すると、争う姿勢を鮮明にしていました。

トランプ大統領
「できるだけ近い将来、中国はアメリカや他の国々から金をむしり取る日々はもはや続けられず、受け入れられないことだと気づくでしょう」

 激しさを増す、アメリカと中国の“貿易戦争”。

トランプ大統領
「まもなく医薬品への大幅な関税を発表します」

 8日の演説でトランプ大統領は今後、輸入医薬品にも追加関税を課すと表明しました。

 アメリカは中国に医薬品の供給を依存していますが、今後はアメリカでの製造拡大を目指しています。

トランプ大統領
「多くの国が私たちを搾取してきましたが、これからは我々の番です。かつてないほど我が国を強くします」

■輸出企業、輸出先を米国以外に広げる準備

 世界中を翻弄(ほんろう)する「トランプ関税」。トランプ政権による相互関税発動の影響で、都内の会社では対策会議が行われていました。

 番組が会議に立ち会ったのは、特許技術を駆使したスピーカーを日米で販売している会社です。

株式会社サウンドファン 山地浩代表取締役社長
「一国の経済政策で、ある程度我々の売り上げが左右されるのはよろしくない」

 1年半前からアメリカへの輸出を開始しましたが、商品を製造している場所は46%の相互関税が課されたベトナムです。

 ベトナム政府は、関税撤廃に向けて最高指導者がトランプ大統領と電話会談を行い、いち早く交渉に乗り出しています。

株式会社サウンドファン 金子一貴取締役
「今回みたいな関税のトピックとかもあったりして、米国以外のところもより具体的にいったん今リストアップしている」

 しかし、関税の動向は不透明なままで、輸出先をアメリカ以外に広げる準備を進めています。

山地代表取締役社長
「やっぱり関税がドカっとかかると価格を上げないといけない可能性はあるわけです。アメリカだけじゃなくていろいろな国に展開していくというのは、今回のトランプ大統領の政策を受けて考え方としてはいいのかなというふうに思っています」

(「グッド!モーニング」2025年4月10日放送分より)