先日、台北で南米パラグアイ産牛肉の日本企業向け試食会が開かれた。パラグアイは牛肉輸出大国だが、ロシアに侵略されたウクライナを支持したために対露輸出が激減。まだ輸出が認められていない日本市場に熱い視線を送る。
パラグアイは南米で唯一、台湾との外交関係を維持している。人口700万人弱ながら気骨ある国のようだ。試食会に参加した中谷好江前駐パラグアイ大使は「ぶれずに原理原則を守る」国だと強調する。
日系人が多く屈指の親日国でもある。民主主義やルールに基づく国際秩序を重視し「利害に直結しなくても一貫して日本と共同歩調をとってくれる」という。
そんなパラグアイに中国が触手を伸ばす。昨年12月には国連機関の会合で入国した中国人外交官が、地元産品の輸入拡大を示唆して中国を国家承認するよう議会で発言。査証の目的に反したとして追放された。
日系2世の豊歳(とよとし)マリオ・パラグアイ駐日大使によれば、パラグアイは牛肉対中輸出を「外交関係がないので全くできない」。原理原則に忠実なため中露の巨大市場からはじき出されている。だが、豊歳氏はパラグアイがぶれることはないと明言。日本に「一方的に牛肉開放を求めるのではなく(世界的に高騰する)肥料や飼料を安く提供できる」と訴える。
原文出處 產經新聞