台湾はニカラグアが断交を発表したことを受け、中南米で外交関係を維持する国々が「ドミノ倒し」のように動くことを警戒している。中国が台湾の孤立化を図る中で、蔡英文政権は自由や民主主義など価値を共有する国々との関係強化を図る「価値観外交」を強めていくとみられる。
蔡総統は10日、「台湾の民主主義が成功するほど、国際的支持が高まり、独裁主義の国からの圧力も強まる」との認識を示し、「自由と民主主義を堅持し、世界に向かって行進し続ける決意は変わらない」と記者団に語った。
ニカラグアに台湾は経済協力なども行ってきたが、断交となった。海外での駐在代表経験を持つ外交評論家、趙麟氏は「台湾より多くの経済支援をして外交関係を『買う』のは中国の常套(じょうとう)手段」と語る。中米では11月末の大統領選で親中派候補が勝利したホンジュラスが、ニカラグアに続くことも懸念される。
ただ、リトアニアなどのように価値観重視で台湾支持を打ち出す国も相次ぐ。趙氏は「『金銭支援外交』は時代遅れで、台湾はすでに『価値観外交』にシフトしている」と話している。
原文出處 產經新聞