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農水接待、調査尽くさず スケジュール帳に残る幹部の名


贈収賄事件で在宅起訴された吉川貴盛・元農林水産相と鶏卵大手の前代表の会食に農水省幹部が同席していた問題で、同省は事務方トップの事務次官ら幹部6人を処分した。ただ、同省は吉川元農水相や前代表への聞き取りはせずに調査を終えて処分に踏みきり、会食の趣旨は不明なままだ。識者は調査を尽くさずに幕引きを図ろうとしていると指摘している。

「農林水産行政、国家公務員への信頼を損ね、申し訳なく思っておりますし、反省しております」。25日夕。減給処分を受けた枝元真徹(まさあき)・事務次官は報道陣を前にこう陳謝した。

枝元次官ら幹部職員7人は2018年10月と19年9月、吉川元農水相と「アキタフーズ」の秋田善祺(よしき)・前代表らの会食の場にそれぞれ参加していた。農水省の同社への聞き取り調査で、1人あたり1回2万円超の飲食代を同社が負担していたことが裏付けられた。「吉川大臣の誘いだったので大臣の支払いだと思っていた」との職員らの弁明は否定された。

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会食はどんな趣旨だったのか。同省の調査結果では、職員は吉川元農水相の誘いで同席したと結論づけた。だが、同省は肝心の吉川元農水相や秋田前代表への聞き取りは見送り、会食の趣旨の特定には至らなかった。同省幹部は両氏が贈収賄事件の被告である点を挙げ、「両氏への接触は法務省に禁じられており、聞き取りの可否を改めて問い合わせたところ、適当ではないとの回答だった」と説明する。

原文出處 朝日新聞